社会的な後押しもあってか、最近では育児休暇の取得を推奨する企業もだいぶ増えてきました。
まだまだレアなケースではありますが、男性が育児休暇を取得する例というのもチラホラ見受けます。
子供は次代を担う国の宝。そんな子供たちが健やかに成長できるように、また子を持つ親が安心して子育てに取り組めるようにするためにも、多くの人が育児休暇制度を利用できるような社会づくりが必要です。
さて。そんな育児休暇の世界に面白い動きが出てきています。
育児の大切さは理解しているものの、まだまだ全ての人が十分な育児休暇が取れているとは言い切れない現状。特に働き盛りの現役世代にとっては、育児のためとはいえ、なかなか長期休暇を取りますとは言いづらいというのが実状ではないでしょうか?
出来ることなら、おじいちゃん・おばあちゃんに子供の世話を手伝ってほしい。そのように考えたことがあるお父さん・お母さんも多いかもしれません。
そういった事情を踏まえてか、「育孫休暇」とでも呼ぶべき、孫育てのための休暇制度を設ける企業・自治体がでてきています。
こういった「育孫休暇」の実施例としては、福島県に地盤をおく東邦銀行の「イクまご休暇」が挙げられます。
年次有給休暇の未消化分を利用することができる「積立特別休暇」の日数を従来の60日から120日に拡大することで、国内企業でも異例の長期休暇を取得できるようになっています。
この積立休暇は、孫が小学校を卒業するまでの期間に利用することができ、出産や各種学校行事など、さまざまなシーンで利用することができるとのことです。
東邦銀行の人事部によると、ある従業員から寄せられた「娘から孫の面倒を見てほしいと頼まれた。休暇が取れたらうれしい」といった声が設立の決め手だったとのこと。
この休暇制度によって、これまで以上に多種多様な働き方を推進し、仕事と家庭を両立した生き方を支援していくとのことです。
まさに高齢化社会ならではの発想である「育孫休暇」。
働くお父さん・お母さんの強い味方となるのはもちろんのこと、核家族化による世代間断絶といった課題を解決してくれる一助となるかもしれません。
育児休暇制度の拡充と併せて、育孫休暇も普及していくことを切に望みます。